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だから、そのたびに反省して、原則的に心がけている整理法に戻ることにしている。
そして一冊の本を書き終えたら、その整理法にもとづいて部屋の整理と掃除をするのに、一日かけるのである。私の整理法は、情報をカテゴリーごとに大型の紙袋か段ボール箱に入れていくというものである。
それと家の外で読む資料は書籍に限って、原則的にそれ以外の資料は部屋の外に持ち出さないということだ。
この段ボールを探せば大丈夫という安心感は、仕事に大きな余裕を与える。
外からみると見栄えが悪いが、仕事の上の便利さには替えられない。
別に各々の箱や袋にタイトルはつけていないが、その中の資料を一つ取り出せば、何の資料かがわかるので、これも不自由がない。
資料の整理にあたって、よく問題にされるのは、捨てるかどうかである。
資料を上手に捨てることができる人間が情報管理や情報整理のうまい人であるという主張をする人もいるが、少なくとも私はこれにあてはまらない。
資料が捨てられないのだ。
心理学や精神医学をやっていると、古典が意外に価値をもつので、新しい情報だけではだめという側面もあるが、おそらくはこれは私の性格によるものだろう。
14∠i第3章能率を上げる勉強術安心して仕事に取り組めることが第一義私は自分の整理術のほうが正しいと思って紹介しているのではない。
そうではなくて、世間であまり好ましくないといわれることをやっていても、情報の整理は可能だということをいいたいのだ。
ここで私が大切にしたいのは、不安の解消である。
いくらインターネットが自由に使えたとしても、結局のところ、論文やレポートの筋道は自分の頭の中で作るものだ。
参考文献は補強材料にすぎない。
しかし、適切なところでそれが使えないと、論文がただの作文になってしまうこともある。
ここで必要なのは、確実に参考文献がみつかる安心感なのである。
私の情報整理術はいささか精神科的であって、不安やストレスを少なくし、安心して仕事に取り組めることを第一義に考えている。
こういうものは、個人によって違うだろうから、他の著者の整理法も参考にしながら、自分に合ったスタイルを探せばよいだろう。
本題に戻るが、そういう点でも、情報を何でもパソコンに入れたり、インターネットに頼ったりするのがより優れた先進的なやり方だとは限らない。
そのほうがみた目はきれいだし、部屋のスペースは広がるが、問題は自分にとっての使い勝手であり、どちらが能率がよく、時間がかからないかである。
少なくとも現行のパソコンの処理速度をみる限り、紙情報のほうがい145ろいろな点で早いのも確かである。これについても、自分で試してみて、どちらが使い勝手がよいかを実験したほうが賢明なようだ。寝る前に机を片付けない以上が情報の整理についての私の見解であるが、資料を具体的にどのように利用するかについても少し触れておこう。
私の場合、文書作成に必要な資料はなるべく、手が届き、目にみえるところにおくようにしている。
つまり、ある文吉を作る際にはあらかじめ必要な資料を箱から出しておき、パソコンデスクの両脇にある机の上においたり、それでも足りない時は床においたりしている。
そして、それが終われば、またもとの場所に戻して、次の資料を同じように机や床に並べるのだ。
このやり方が私に合っているのは一度に多くの情報に目を通すことができるからだ。
現行のパソコンではこれが難しい。
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