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一発合格 記憶の方法 資格 合格体験記 速読 
たとえば、血液型がA型で時間に几帳面だが、整理整頓はルーズな人がいれば、時間に几帳面な側面にばかり目がいって、整理整頓のルーズさを無視してしまう。その人と待ち合わせをしていて、時間通りに来ると「やはりA型の人は几帳面だ」ということになるのだ。
第二に、スキーマと一致しない情報を受け入れにくくなる。
その人の机の上がごった返していても、「A型にしては例外」「一時的なものだろう」「頭の中での整理はできていて何がどこにあるのかは把握しているにちがいない」などと自分のスキーマが間違っている可能性を考えずに、その情報を否定する方向で考えてしまう。
第三に、スキーマと一致する情報のほうが一致しない情報より憶えやすくなる。
その人についての記憶としては、待ち合わせの時間通りに来たことは記憶に残るのだが、机の上がごった返していることは忘れてしまいがちになる。
第四に、スキーマと一致するように記憶を歪ませることもある。
そのごった返した机の上の書類の中で茶色いものをみたとすると、勝手にシステム手帳がおいてあったと記憶してしまうことがあるのだ。
そうなってしまうと、その記憶は疑えなくなる。
「いつもシステム手帳を使うのは、やはりA型ね」ということになってしまうのだ。
仮に、その人が「システム手帳なんか使ったことがない」と答えても、自分の見間違い、記憶違いとは考えずに、「あの時に机の119上においてあったじゃないの」と問い返すかもしれない。何度もいうが、スキーマをもつということは人間の情報処理能力を高めるために当たり前に生じる適応現象であり、もつことそのものは悪いことではない。
ただ、複雑な問題解決に際して、スキーマにとらわれないようにするのが大切なだけだ。
たとえば、売上が悪い時には、これまでの営業やセールスプロモーションのスキーマがあてはまらなくなっている可能性が強いのに、それにとらわれていたら、新しい方向性は見出せない。
自分には必ずスキーマというものがあって、それがどんなものであるかを知ること、そして大切な推論場面では、自分のスキーマにとらわれていないかをモニターすることが有効なメタ認知テクニックなのである。
12。第2章頭をよくするトレーニング.4他者のサポートを得るテクニック知識を増やし、推論を豊かにし、メタ認知のテクニックも知ったところで、それを個人レベルのものにしないで、他者を有効に利用し、他者のサボ−トを得るテクニックを紹介してみたい。共感能力を高める共感は、アメリカで現在もっとも人気のある精神分析理論である自己心理学においても、あるいはEQの理論においても、もっとも重視されている概念である。
他者との共感能力を高めることが、取りも直さず対人関係を円滑にし、豊かなものにするのだ。
共感には、さまざまな定義があるが、同情とは違うものだとされることが多い。同情も共感も相手の感情状態を自分も同様に体験するのであるが、同情は、一般的には相手が悲しんでいるとか、苦しんでいるとかの否定的な感情をもっている場合に限られる。
また、相手がそれを121どう感じているかは関係なく、自分の感情状態を指し示す、一方向的な概念である。
共感はもう少し、広い意味に用いる。
たとえば、相手が悲しんでいる時に自分も悲しくなるのは同情でも共感でもあるが、相手が喜んでいる時に、自分も嬉しくなるとすれば、これは共感といっても、同情とはいわない。
自己心理学の祖、コフートがこの共感に目をつけたのは、観察手段としてである。
相手の心理状態や主観的世界は、この共感によってしか観察できないのだ。
ここでの観察とは、相手の立場に身をおいてみて、自分だったらどのような心の体験をするかを想像することをいう。
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