幸福のアラビア イエメン |
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「――遂にザビードに着いた。古都サナーまで訳120マイルを距て、ヤマン第二の大都会である。バナナその他果物の産が多く、市民は愛想よく、容姿は優美、ことに婦女子は目ざめるばかりに美しい。 市街はアル・フサイブという谷間にある。かつて、預言者(マホメッド)がムアードという者に向かい、 「おお、ムアードよ。フサイブの谷に着いたなら、歩はやめておけ」といったという伝承があるが、それは美しい女たちに迷わぬようとの心やりからであった。ただ申し分なく美しいだけでなく、心ねの優しい女たちである。異国の人々を重んじ、わがふるさとの女たちのごとく、よそものとの結婚をいやがるようなことはない。異国の人々を重んじ、その人が再び旅に出ようとすると、妻は見送って、ご機嫌よろしゅうという。子供が生まれると、それを大切に育てながら、 夫の帰りを待っている。そして夫の留守中、日々の暮らしの費用から、衣料費その他何一つ要求はしない―――『三大陸周遊記(世界探検全集2)』イブン・バトゥータ/前嶋信次訳・河出出版」 14世紀に足掛け29年間!世界を旅した私の唯一無二の師匠、イブン・バトゥータ師のザビードを紹介した一節である。 ――ただ申し分なく美しいだけでなく、心ねの優しい女たちである。異国の人々を重んじ、わがふるさとの女たちのごとく、よそものとの結婚をいやがるようなことはない。異国の人々を重んじ、その人が再び旅に出ようとすると、妻は見送って、ご機嫌よろしゅうという。子供が生まれると、それを大切に育てながら、夫の帰りを待っている。そして夫の留守中、日々の暮らしの費用から、衣料費その他何一つ要求はしない――― 私はこの一節を諳んじている。家訓にしている(笑)。 妻は一笑に付すのみだが、私は信じてここまで来た(笑)。 おお、たしかに美しい娘さんはいた。 ―愛想よく、容姿は優美、ことに婦女子は目ざめるばかりに美しい―娘さんはいたのである。 年はどうみても7、8才だが・・・・・。 でも、町を歩けば妙齢の美しいひとがたくさんたくさんいるはずだ! ちょっとお嬢さん、「スーラね」(笑)。 「なにか質問ありますか?」ナジプサ。 「はい!ここで町の散策のため少し自由行動にしませんか」私。 「はーい、ヤッラ(はい、行きましょうー)ね」 「・・・・・・・・・・・・・・」 そんな、ナジプサ・・・・・。 ―フサイブの谷に着いたなら、歩は「ゆっくりいけ」(笑)―ではないか。 |
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