あなたとサファリを ケニア |
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10分ほどで、ナイロビの林立するビル群は消えうせ、なだらかな草原がどこまでも続く広陵地帯になった。 ナイロビからケニア側のキリマンジャロ山麓に広がるアンボセリ国立公園までは約5時間の道のりである。 アンボセリはまだまだ・・・・・。 パステルカラーの水色がかった空に浮かぶ雲が綿菓子のように思える、そんな晴れた日の4WDでの旅たちだった―――――。 やがて、車は未舗装の路を行きだした。丘の原野はまだまだ続く。 大地には低木、アカシアがすべてだった。 時折、通り過ぎる赤い点画のような彩りは、マントを着たマサイ族だ。 そして、何十分かの間隔で、その赤の集団がいる。牛も多い。 「マサイ族の市場ですね」 日本語がバリバリのパトリックが退屈そうに説明する。 「あ、マサイ族の撮影はやめてください」 「声、入ってる?撮影はやめてってよ」と小うるさく、S。 私は黙ってビデオカメラを閉じ、Mに向けて、 「マサイの人たち、時折、道端で手を挙げてるでしょ?あれ挨拶してんじゃないんだよ。ヒッチハイクだよ。Mちゃん、かわいいからじゃないの(笑)」私はMをからかう。 「そうなんだ。チェッ(笑)」 やがて道は所々未舗装の道路になった。 丘の原野はまだまだ続く。 大地は低木、アカシアがすべてだった。 そして時折通り過ぎるのは、マサイ族の衣装の赤。 2時間ほど走り、由緒正しく土産物屋があるトイレ休憩で、再び大地を行く。 車に乗り込む間際、土産物屋のお兄さんは窓越しに、大きなオークの木を彫ったような仮面とライターを交換しようと持ちかけてきたが、躊躇したまま出発となった。 その仮面に価値があろうとなかろうと、損な買い物でないことは承知していた。 躊躇したのは、サファリ初日にしては異常に大きすぎる買い物で、移動と運搬が困難に思えたからだ。 しかし、その後2度とライターと交換できるような店とは遭遇しなかった―――。 道はいつの間にか赤茶けた土に変わっていた。 どおりで、振動が激しくなってきたわけだ。 パトリックはトイレ休憩時にもう一台のほうへ移っていた。 私が運転手フランクの助手席に陣取っていた。 「あ!前方に大きな轍を発見。ハンドルを右にー。いや、左(爆笑)」 「勝手に下手なナビやってるよ〜〜」とS。 このオネエサンはもう少しマシな言い方できないものかしら。 「お一人様、300シリング頂戴いたします」とMに手を差し出す。 「絶対、外回りのお仕事ですよね!なんか怪しい商売してそ〜〜(笑)」―当たってます(笑)― Mと連れのHは、大阪ビジネスパークに大きなビルがある電気会社に勤めている。 「今、防衛庁のほら、あれで会社が大変なんですわ〜〜」と嘆く。 車内は完全にMと私の二人の会話にとってかわった。 いや、私がそう望んだからだ。 「希望も銭も落ちとるんやない。自らの手で掴みとらなアカンのや〜。Mちゃんには三日後にはソマリアへ連れたってんねん。高う売り飛ばしたるわ」 「なんか、怪しい関西弁。ますます怪しい(笑)」 そうこうするうちに2度目のトイレ休憩になり、再びパトリックが乗りこんできた。 青い空!どこまでも続くサバンナ!絶好のサファリ日和。 はやる気持ちは、いつか、いやまもなく会える動物たち。 その気持ちをMちゃんと分かち合おうと、 「ねぇ?何の動物を一番最初に発見するか賭けない?300シリングね♪」 愛嬌のあるMはすぐさま乗ってきった。 Sまで乗ってきた。 仕方なく・・・のような様子でHも乗ってきた。 その割にHはすばやかった。 「私はハイエナ!」 「じゃあ、ゼブラ(シマウマ)」とMが続く。いいとこ押さえられた。 穴狙いでいくか! 「ガゼル!!!」Sと私は同時に叫んでいた・・・・・・・き、気があったのね・・・・・。 Mがクスクス笑っている。 譲ってもよかったのだが、Mちゃんが持参していたポケット図鑑によると、ケニアには「トムソンガゼル」と「グランドガゼル」の2種類生息していることが判明。 私は「グランド」の方を息巻いて取った。 アンボセリ一帯には、「トムソン」の方しか生息しないことは、その時は知る由もなかった・・・・・・・・・・・・。 「さて〜〜〜、いよいよダービー・サファリの始まりですっ!」 |
旅行写真 |
ゾウの兄弟 No.1 |
昼行灯の水牛 No.2 |
アノボセリの隊列 No.3 |
サイだサイ No.4 |
ナイロビのランドマー... No.5 |
マサイマラのカーテン... No.6 |
マントヒヒと・・・・... No.7 |
カーニバァルのゲーム... No.8 |
ナイロビ郊外にて No.9 |
アンボセリにて No.10 |
アンボセリの夕焼け No.11 |
アノボセリの草原 No.12 |
アバーディアの森林ホ... No.13 |
ナクル湖畔にて No.14 |
ジャンボブアナ No.15 |
ジャンボ マサイのみ... No.16 |
マサイマラのチーター... No.17 |
マサイマラのライオン... No.18 |
マサイマラキリン大群... No.19 |
マサイマラのキリン No.20 |
夜のマサイ No.21 |
夕闇のマサイマラ No.22 |
グレートリフトバレー... No.23 |
ナイロビの銀座 No.24 |
ジョモケニヤッタ空港... No.25 |
ゆけ、キリマンジャロ... No.26 |
アバーディアカントリ... No.27 |
シマウマと草原 No.28 |