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私が最近の受験生をみて感じることは、やり方を学ぶという姿勢が年々薄れてきているということだ。
正直に打ち明けると、私の主宰する受験勉強法の通信教育の合格実績は年々よくなっているのに、私の受験勉強法の本の売れ行きは以前ほど(以前が売れすぎだったのかもしれないが)芳しくない。
他の勉強法の本の売上も似たようなものであるようだ。これは、今の子ビもたちの勉強離れとパラレルなものかもしれないし、あるいは子どもたちが最初から自分の能力に見切りをつけて、勉強法を学ぶ気になれないからかもしれない。しかし、私は現在の学力低下の最良の処方箋は教え方と学び方のエ夫にあると考えている。
前述のように、わかる体験や成績が上がる体験をしないと勉強への動機を維持できないし、関1う2第3章能率を上げる勉強術心もわかないため勉強したことも記憶に残りにくくなるからだ。
そのためには、少しでもわかりやすい授業と、成績の上がりやすい学び方を知っておく必要がある。
これは、大人の勉強についてもあてはまることだろう。
ただ、大人のほうが社会経験を積んでいる分だけ、要領のよいやり方を学ぶ、勉強法を勉強することに抵抗がないのではないだろうか。
ここでは、主に私の経験や受験技術の応用をふまえ、すぐに使える勉強のテクニックを紹介していきたい。
ただし、前章で紹介した頭のよくなるテクニックは、ある程度理論的背景もあるものだし、一部のものについては心理実験で有効性が確認されている。
しかし、本章で紹介するものに限らず、多くの著者が書く勉強法や整理法は、何人かの人を取材する場合はあっても、原則的に成功者の体験を普遍化して紹介したものである。
有効性についての科学的検証はされていないし、個人によって合う合わないの違いがあるということを断っておきたい。
そこで必要なのは、自分にふさわしい勉強法を探すために、成功者の体験を聞いたり、著作などを通じていろいろと勉強法を学んで、それを実際に試してみる態度である。
それにより、今までのやり方より能率が上がれば、少なくともあなたにとっては有効な勉強法ということになるのである。
1ううl時間のやりくり術睡眠時間を削るのはマイナス大人の勉強において多くの人の最大の関心事は、時間の使い方にあるようだ。
実際、社会人をやりながら、何らかの勉強を始めようという場合、一般の学生などと比べてはるかに時間的なハンディキャップを負うことになる。
限られた時間をどうやりくりするかで、現在行っている勉強の成否が決まるといっていいくらいだ。
手前味噌になるが、私自身、精神科医でありながら、三つの学校の非常勤講師をつとめ、相当量の文筆業をこなし、時々英文を含めて学術論文も書きつづけ、さらに小なりといえ受験産業を主宰し、子育てもしているわけだから、いったいどこにそんな時間があるのかを問われることが多い。
一つ確実にいえることは、時間は物理的に増やすことができないということだ。
一日は、どう転んでも二十四時間しかないし、一週間は七日しかない。
そして、私が精神科医として、一1う4第3章能率を上げる勉強術つ指摘しておきたいのは、睡眠時間を削ることの弊害だ。
睡眠不足は、うつや不安神経症を誘発するし、大体単位時間あたりの能率を落とすので、かえって勉強の邪魔になる。
私もどんなに忙しい時でも、七時間は睡眠をとっている(これについては個人差はあるが)。
その限られた時間の中で、時間を有効に使う方法は、そうたくさんはない。
「無駄な時間」をどこまで減らせるか一つは、無駄な時間をなくすことだ。
何をもって無駄な時間というかは難しいところだが、自分が現在勉強したり必要としていることにとって、役に立たない時間、と定義したい。
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