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アノボセリの隊列
アノボセリの隊列

タイトル  アノボセリの隊列
目的地 アフリカ・中東 > ケニア > その他の都市
場所 アンボセリ
時期 1998 年 9 月
種類 景色
コメント 丘の原野はまだまだ続く。
大地は低木、アカシアがすべてだった。
そして時折通り過ぎるのは、マサイ族の衣装の赤。
2時間ほど走り、由緒正しく土産物屋があるトイレ休憩で、再び大地を行く。
車に乗り込む間際、土産物屋のお兄さんは窓越しに、大きなオークの木を彫ったような仮面とライターを交換しようと持ちかけてきたが、躊躇したまま出発となった。
その仮面に価値があろうとなかろうと、損な買い物でないことは承知していた。
躊躇したのは、サファリ初日にしては異常に大きすぎる買い物で、移動と運搬が困難に思えたからだ。
しかし、その後2度とライターと交換できるような店とは遭遇しなかった―――。
道はいつの間にか赤茶けた土に変わっていた。
どおりで、振動が激しくなってきたわけだ。
パトリックはトイレ休憩時にもう一台のほうへ移っていた。
私が運転手フランクの助手席に陣取っていた。
「あ!前方に大きな轍を発見。ハンドルを右にー。いや、左(爆笑)」
「勝手に下手なナビやってるよ〜〜」とS。
このオネエサンはもう少しマシな言い方できないものかしら。
「お一人様、300シリング頂戴いたします」とMに手を差し出す。
「絶対、外回りのお仕事ですよね!なんか怪しい商売してそ〜〜(笑)」―当たってます(笑)―
Mと連れのHは、大阪ビジネスパークに大きなビルがある電気会社に勤めている。
「今、防衛庁のほら、あれで会社が大変なんですわ〜〜」と嘆く。
車内は完全にMと私の二人の会話にとってかわった。
いや、私がそう望んだからだ。
「希望も銭も落ちとるんやない。自らの手で掴みとらなアカンのや〜。Mちゃんには三日後にはソマリアへ連れたってんねん。高う売り飛ばしたるわ」
「なんか、怪しい関西弁。ますます怪しい(笑)」
 そうこうするうちに2度目のトイレ休憩になり、再びパトリックが乗りこんできた。 
青い空!どこまでも続くサバンナ!絶好のサファリ日和。
はやる気持ちは、いつか、いやまもなく会える動物たち。
その気持ちをMちゃんと分かち合おうと、
「ねぇ?何の動物を一番最初に発見するか賭けない?300シリングね♪」
愛嬌のあるMはすぐさま乗ってきった。
Sまで乗ってきた。
仕方なく・・・のような様子でHも乗ってきた。
その割にHはすばやかった。
「私はハイエナ!」
「じゃあ、ゼブラ(シマウマ)」とMが続く。いいとこ押さえられた。
穴狙いでいくか!
「ガゼル!!!」Sと私は同時に叫んでいた・・・・・・・き、気があったのね・・・・・。
Mがクスクス笑っている。
譲ってもよかったのだが、Mちゃんが持参していたポケット図鑑によると、ケニアには「トムソンガゼル」と「グランドガゼル」の2種類生息していることが判明。
私は「グランド」の方を息巻いて取った。
アンボセリ一帯には、「トムソン」の方しか生息しないことは、その時は知る由もなかった・・・・・・・・・・・・。
「さて〜〜〜、いよいよダービー・サファリの始まりですっ!」
見渡すかぎりの平原になってきた。

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