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マラケシュの朝
マラケシュの朝

タイトル  マラケシュの朝
目的地 アフリカ・中東 > モロッコ > マラケシュ
場所 マラケシュ
時期 1991 年 7 月
種類 景色
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この鳥の鳴き声の主は、何という名だろう?                 
すずめよりもう少し精彩で華奢な鳴き声はしだいに数を増し、だんだんと高まってきた。 
ぼんやりと、朦朧とした意識は鳥たちの姿を想像していた。          
いつまでもひんやりとした真っ白なシーツの上で、波に揺られる小舟のようにたゆたっていた。
どこか遠くの異国へ連れ去られるような・・・。              
やがて、鳥の鳴き声はますますボルテージを上げ、波に揺られる世界から遮断され、こちら側へ戻ってきた。                        

 マラケシュでの朝だった。                        
シャワーを浴び、散歩にでかける。                     
このあたりはホテルの密接した区画で、通りは広くて整備されており、高いポプラの木やユーカリの木が生い茂っており、公園のようなところだ。        
朝日はようやく顔をのぞかせ始めている。                  
朝日は、夜の祝祭と喧騒を罰が悪いように洗い流す。             
昨夜、たかりと思い込んでいたムハンマドは、実は本当に旅行く私と友情を深めたかっただけなのかもしれない。ベルベル少年の叫びは魂を奪われたことへの本物の
驚愕だったのかもしれない。
わたしは、モロッコの旅を続けていくための、一種の免罪符を手に 入れたのしれないのだ。
朝日の信仰は、この儀式は、きっと、そのようなためにある。  
さらにハッテイ通りを行く。
ジョギングをする人をちらほら見かける。
ホテルの門の前の通りを清掃している人がいる。
馬車のなかで眠っている人がいる。
急ぎ足で、すれ違っていったチャドルを被った女性がいる。          
花の色が鮮やかで美しい。何という名の花だろう?目にしみいるような紫色をしている。   
ムーレイハッサン通りにぶつかり、右に折れリベルテ広場にでた。       

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