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青空露店にて
青空露店にて

タイトル  青空露店にて
目的地 アフリカ・中東 > トルコ > カッパドキア
場所 カッパドキア
時期 1991 年 8 月
種類 景色
コメント 地下都市(イエッルテゥ・シェヒル)の出口前には土産物屋が軒を連ねている。
カイマクルの店主たちは皆おっとりしている。
客たちを品定めするような視線もなく、落ち着きはらっている。
トルコは町によってひとびとの気風が異なる。
昨日、キノコの形をした岩が連なるゼルベ村を見学したあと、近くのバラック小屋の店を冷やかした。
キリム柄に似た綿のベストに一回袖を通すと、若い店の男が「これはおまえのもんだ」と脱ごうとする私の腕を掴んで凄んできた。
「いらない」「おまえのものだ」と押し問答がしばらくつづき、なんとか切り抜けて私は脱兎のごとく店を飛び出した。
男は軒先にでてきて、ころがっている石を投げつけてきた。
男はなにやらわめいて両隣の店の者を呼んで、その両隣の店の男たちまで一斉に私に向かって石を投げつけてくるのだ。
火山地帯とはいえ、人為的に石が飛んできたのではたまったものじゃない。
 そうかといえば、アクサライ郊外のキャラバン・サライの土産物屋、ギョメレ村郊外の丘の青空露店にいた、でっぷり太ったおばさんたちは、ただただニコニコしているだけで、「私、ひたすら待つわ」状態だった。
そのおばさんから1個30円のアナトリア地方の民族衣装を着た手作りの人形を3つ買った。
アンカラのヒッタイト博物館では、箱をぶら下げて観光客に寄ってくる、動く土産物屋に追い掛け回された。
彼らは小学低学年の少年たちだった。
「この笑顔がたまんないんだよなー」と、かの千葉のおじさんは、彼のお気に入りの少年からスカーフやらビーズやら絵葉書、ブレスレッドにいたるまでありったけのものを買い漁っていた。
帰国後、トランクを開けたとたんガラクタに変身してしまいそうな代物ばかりで、私たちは見事に少年の術中にはまるおじさんを冷ややかに眺めていた。
しかし、後にして思えば扇子の件もあるし、彼は本当の意味の親善大使だったのかもしれない。

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