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タイトル
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イスタンブールの街角
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目的地 |
アフリカ・中東 > トルコ > イスタンブール
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場所 |
イスタンブール |
時期 |
1991 年 8 月 |
種類 |
景色 |
コメント |
ついにナザールボンジューとご対面だ。 少々値が張ってもいい、とことん交渉する腹積もりだ。 今までさして気にとめなかったが、店内はお香のような匂いがたちこめており、気なりだすと、とことん気になりだした。 はやく用事をすませて、バザールの外の、青空の下での空気を一杯吸い込みたかった。 男は幾重もの布を一枚一枚大切そうにほどいていった。 ―――いよいよ、ご開帳となった。 しかし、取り出されたものがなにかは一目瞭然だった・・・・・・。 これが何かは宝石類に疎い私でもわかる。 ターコイズブルーの石・・・・・・その大きいこと・・・・・・。 店の男はカモはゼッタイ逃がさんというような態度に豹変して饒舌になった。 私は上の空だった。 「10億トルキッシュリラ」男の、その言葉だけはアタマの中をかすめた。 いつのまにか店には他にも数人の男が顔をだしていた・・・・・・。 目の前に置かれたウズラ卵くらいの青い石、それがトルコ石であるくらいは宝石に疎い私でもわかった。 男が口にしたリラを円に換算するといくらになるか、咄嗟には検討もつかなかった。 早くこの場を逃げ出すことのみ考えていた。 私は壁にかけられている例のガラス玉を指差し、 「あれは何ていうものなの?」と、尋ねた。 男はトルコ石を売りつけることに全身全霊なげかけており不意を衝かれたようだったが、目の玉に視線を投げかけてつまらなさそうに答えた。 早口ではあったが、はっきり聞き取れた。 「ナザールボンジュー・・・・・・・」 |
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