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カッアドキアの夕暮れ時
カッアドキアの夕暮れ時

タイトル  カッアドキアの夕暮れ時
目的地 アフリカ・中東 > トルコ > イスタンブール
場所 カッパドキア
時期 1991 年 8 月
種類 景色
コメント トルコでは引き寄せられるように、夜空を見上げては月を仰ぎ見ていた。
ここ、カッパドキア地方の拠点であるユルギュップでも例外ではない。
幼少のころ、月を眺めることは、地球を眺めている気持ちでいた。
今、このユルギュップで月を見上げることは、ますます現実味を帯びてくる。
そのわけは、次に紹介する文章が的確に伝えてくれる。
「――カッパドキアの地図を掲げてみよう。このあたりは、かつてのエルジャッシュ山の大噴火によって、大がかりな火山形成がされているところである。
はじめてこの地を訪れる者にとっては、この景観は、にわかに形容しがたいだろう――。
――それは、まず何と言っても広大な世界である。そこここに樹木状の岩が林立していると思えば、赤茶色や桃色、白や褐色などの色彩で縞模様の地層を露出する台地が長く連なっていたり、原始時代の巨石文化を思わせるような珍岩奇岩が土筆のように生え出ていたりする。
空と地との境目が際立ち、遠景は、そこが地の果てのような錯覚を起こさせる。
上空には風が舞い、地は内部に深い想いを秘めているように寡黙である―――。『トルコの旅』立田洋司著・六興出版――」
かように、切り立った岩やテーブル状の台地に囲まれた、明かりの乏しい町から月を見上げることは、ここが本当に地球なのかどうか疑わしい錯覚に囚われる。
ここは月ではないのか?
―私が帰るところはどこだろう?―

砂漠を、月を、彷徨うことはオアシスを探し求めることではない。

それは、一つの「泉」をココロの宗教にすることだ。

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