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タイトル
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カメルーン 黒魔術の踊り
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目的地 |
アフリカ・中東 > その他の国・地域 > その他の都市
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場所 |
カメルーン |
時期 |
2001 年 2 月 |
種類 |
景色 |
コメント |
太鼓のリズムは単調ではあるが、心をどこかへ誘う。 宇宙と結びつく――、このような浮遊した感覚はこういうとき感じるものなのかもしれない。 「―――アフリカのすべての部族が、宗教的にせよ世俗的にせ、何らかの目的で太鼓を使う―――。 そのドラムは、ふつうの土器の上に濡れた羊皮紙を張った簡単なものから、豪華な彫り細工のついた、正確にはチューニングした儀式用の巨大なティンパニーに至るまで、難易度は様々である。ダンスの伴奏を目的とした単純な打楽器としてのドラムもあれば、長距離通信用に、複雑な音調の連続音を出すように設計された高度な打楽器もある。しかしどの種類も、やがて式典とかかわるようになり、儀式用としての価値が付加されるようになる―――。 ドラムは、伝統的に四つか五つの組になっており、「群れ」と呼ばれる。組として<ディコマナ>と呼び、<コマナ>という儀式で演奏される。 すべてのコマ太鼓は、軟らかな一本の木の固まりから作られる。一番好ましいのが雄マルラの木の幹であり、特別な許可を得て、儀式を行って切ることになっている。ドラムの彫刻も、魔法的なプロセスを経て「誕生させる」、と一般に言われる。厳格な儀式の仕来りに従って木を彫り、以前は人身供儀でその過程が神聖化されていたものだ。古い諺では、「ディコマナを作る男は太鼓を目で見ても、耳で聴くことはない」と言われていたほどである。 ドラムの完全な「群れ」には、手で叩く<モラドゥ>―大きな雄牛―と、簡単な棒や骨で叩く小さなものが含まれていた。これらのドラムは、各群れが優秀な牛の同数に匹敵するほど高価なものだった。群れの各ドラムは何らかの形で神聖化されていた。ワニの胃袋から出てきた石とか人間の骨を、中に入れたりしたのである。「大きな雌牛」の古いものには、作った人の頭蓋骨がよく入っており、一番小さなドラムの反響する皮の下には、その不幸な職人の顔面の皮膚片が入っていた、と言われている―――。 『アフリカの白い呪術師 ライアル・ワトソン著 村田恵子訳 河出文庫 』より― 」 タイコは結婚や人の死といったニュースを伝える。意味は、たたき方によって違う。中部ステップ地帯では牛の革を張ったタイコを手でたたき、森林地帯では、木の内側をくりぬいただけの太鼓で、たたくのは木のバチが主である。 |
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