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ナズラット・サマンーン村
ナズラット・サマンーン村

タイトル  ナズラット・サマンーン村
目的地 アフリカ・中東 > エジプト > その他の都市
場所 ギザ
時期 1993 年 10 月
種類
コメント ナズラット・サマーン村の結婚式の宴はまだまだ宵の口であった。       
この村は世界一有名で世界一ミステリアスな遺跡の高台縁に沿った町の一角にある。 遺遺跡を目指してはるばる極東の地から訪れた私たちであるが、遺跡に心を打たれたれることはなく、この日常の狭間の祝宴に身を委ね、幸福な一時を過ごしている。  
 この時、私にも彼女にも間違いなく別の時間が流れていた。
300平方メートル足らずの空間がどこか別の星での出来事にさえ思えた。 
一期一会の人々の顔を一人一人数えながら、今度はしっかりと肉眼で見まわした。壇上のブルース・ウィリスことパンチ歌手は息上げながらも、休憩を挟むことなく歌い続けている。バンドメンバーはドラムにギターにキーボード、ベースそれにタンバリンの5人。彼らもご苦労なことだ。タンバリンのお兄さんは一心不乱に音を止まさずタンバリンと格闘しているかのようだった。バンドマンの晴れの日も見事に成就した。そして、コロンボさん。入れかわり立ちかわりステージに上がってくる来客を心得たとばかりの気っぷの好さであしらったり乗せたりの対応をしている。          
「腰はこうやって振るの!」よっ!ナズラット・サマーンの宴会部長。いっちゃってる。ステージにいるべきもう一人の仕切り屋禿鷹じいさんの姿はなかった。宵も深まって、 ご老体の身にはお辛いのだろうか?まさか、いっちゃってるんじゃあ?違う意味で。  
ジョージやジョンは隅っこの方ですっかり鳴りを潜めていた。         
祭りはやはり楽しむすべを心得た者たちの劇場だ。              
人生はロンドなのだから。                     

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